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仲間



疲れを癒しに安全な空間へと移動してきたウォーリアと11。
偶然にもバッツとジタンも休憩中のようだ。
久しぶりの再会である。

バッツの隣に黄色い羽毛が見える。
どうやらチョコボも一緒らしい。
11はそれを見つけると嬉しそうに早速チョコボへと駆け寄って行った。
それを片目にウォーリアはジタンの方へ歩んで行く。

「お疲れさん。休憩か?」

ふたりの存在に気がついたジタンが挨拶するかのように片手を上げてきた。
ジタンの問いかけに短く返事をする。
周りを見渡してみるがスコールの姿が見えない。

「あいつなら単独行動だぜ」

ウォーリアの行動に察しが付いたのか、そう声を掛ける。
そう言われてみれば、彼等とは別行動していると11から聞いていたのを思い出した。

「バッツがお守りを渡したそうだな」
「そうそう、チョコボの羽根。しっかり持っていったよ」

付き返されると思ったけど意外と律儀だよなと笑う。
スコールのいない今は、2人でどちらが先にクリスタルを見つけるか競っているという。
道中遭遇するイミテーションから奪った素材も袋にぎっしりと詰まっているようだ。
抜け目のなさが彼等らしい。
クリスタルに至るまでの経過がどうあれ、無事でいてくれればそれでいいと思う。

ジタンの話を耳にしながら11の様子を眺める。
なにやらバッツと談笑中のようだ。
楽しそうな顔をしている。

「あのような顔もするのだな」

ぽつりと漏らす。
自分の前では見せない姿だ。

「11か? いっつもあんな感じだぜ」
「そうなのか?」

他の仲間達よりも長い時間を共に過ごしているが、そういえば彼女の人となりは知らない。
いつも落ち着いた風貌の彼女なだけに、あのようにはしゃいだ姿はなんだか新鮮に感じる。

「ウォーリアのことだから11の話、聞いてるようで聞いてなかったりするんだろ」
「…否定はしない。ただ、大事と思われることは、しっかり聞いているのだが」
「そういうんじゃなくってさぁ。こう…、もっとと接してみたらいいんじゃないか?」

そうすれば彼女だって自然と笑みのひとつも零してくれるんじゃないか、とジタンは苦笑する。
ジタンが言うには自分の纏う雰囲気が硬いらしい。
だから彼女の態度もそれに合わせてしまうのではないのか。
それならば、彼女がよく気に掛けているスコールも似たようなものではないかと聞けば

「あいつ、案外わかり易いんだぜ。顔に出るんだ」

という。

ジタンによれば、意外にも11とスコールは仲が良いらしい。
想像し難い場面だが、彼がそう言っているのならそうなのだろう。

「コミュニケーションとれば、それだけ打ち解けるもんだって。どうせなら仲良くいきたいじゃんか」

話を聞くのも大事だが、それだけじゃお互い歩み寄れない。

「そうだな」

クリスタルを追い求めるばかりでなく、彼女の新たな一面を見つけることも良いかもしれない。

-end-

2009/4/11




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