私が落ちて来た場所、並盛中学校の屋上に向かっている。調べることと並行して、私が思い出すきっかけを探すことになった。

私の情報については引き続き調べてくれる事に本当に申し訳ない。情報が出てこないことが尚更面白くて興味が尽きないらしい。本当に変わってる方だ。
私だったらもうお手上げだけれど、雲雀さんはそういうことではないらしい。

「雲雀さんは部活動はしないんですか?」
「風紀委員だからね」

正門を通ると生徒が下校したり部活動を始める時間となっていた。生徒がやけに私を見ているのは部外者だからだろう。それにしてもやけに見られるから視線が気になってしまうが、雲雀さんは見向きもしないで前を向いている。

昇降口から校内に入ると学ランにリーゼントの学生が階段を降りて来た。腰を90度に曲げて頭を下げたことにビックリした。


「委員長、お疲れ様です!」

「…委員長?」


さっきの風紀委員というワードも引っかかったけど…。委員長と呼ばれた雲雀さんは平然とリーゼントの学生と普通に話をしている。しかも明らかな上下関係が見える。他の生徒はブレザーだけど、雲雀さんとこの人は学ランなのはどういうこと?この学校に制服は2種類あるのかな?

話が終わった様でリーゼントさんは再度頭を下げてその場を去ってしまった。

「雲雀さん、質問したいことがたくさんあるんですけど」
「1つなら良いよ」
「普段何をしてるんですか」
「普通の事」

何も答えになっていないんですが、絶対にわざとですよね?明らかに私の知っている普通とかけ離れていて、謎が深まるだけだった。

私達が校内を歩き続けていると、窓の外から賑やかな声がした。足を止めて窓の外を見ると制服の着崩しが目立つ男子生徒が下校もせず、部活動もせずに集まっていた。どこにでもいるんだろうなぁ、こういう生徒は。

男子生徒たちから目を離し、再び屋上に向かおうと校内に目を向けると雲雀さんが両手に銀色の棒の様なものを構えて窓から男子生徒を見ていた。
何ですかそれは。

「用事ができたから先に屋上に行ってて。すぐに追いつくよ」

そう行って雲雀さんは窓に足をかける。
えっ、ちょっと待って


「ここ2階ですよ!」



じゃあね、と行って雲雀さんはニヤッと不気味な笑みをしながら外に降りて行った。





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