カバンの中からラッピングされた袋を取り出す。手作りチョコレートなんて柄でもないけど、今年はあげたいと思う大切な人がいるのだ。
｢はい、山岳。｣
｢ありがとう。開けて良い？｣
｢どうぞ。｣
｢わ、手作りじゃん！｣
すごいすごい、美味しそう！とはしゃぐ山岳につられて自然と私も顔が緩む。ちゃんと作って良かった。(簡単な生チョコなんだけど。)
するとニコニコしながらこちらを見ている山岳と目が合った。
｢あーん。｣
口を開けて待っている山岳。えーっとこれは…
｢食べさせて欲しいの？｣
｢あったりまえじゃん。｣
何があったりまえなのか全くわからないが、今日くらい山岳の期待に応えるのも良いだろう。箱からチョコを一つ取り出し、山岳の口へ放り込む。
｢…どう？｣
｢んー…！凄く美味い！！名前、お菓子作るの上手だね。｣
｢本当？良かった。｣
｢もう一個ちょうだい？｣
褒められたのが嬉しくなって、口を開けてスタンバイしている山岳へまた一つ、チョコを放り込んだ。美味しそうにチョコを食べる彼の姿はまさしく天使そのもの。こちらまで笑顔になってしまう。
｢名前の指…｣
｢へ？｣
｢ごめん、俺が食わしてって言ったからチョコついちゃったね。｣
｢あぁ、良いよ気にしな、っ｣
言い終わる前に手をとられ、チョコのついた指をぺろり、と舐めとられた。生暖かい感覚が舌先から体の奥まで伝わる。
｢あ、う、ちょっと山岳…。｣
｢うん、やっぱり美味しいよ。｣
｢そうじゃなくって…。｣
｢ほら、名前も一緒に食べてみてよ？｣
手を解放し、こちらの動揺はお構いなしに、チョコを口元へ運ばれた。マイペースなのはいつもの事だ、大人しく山岳がくれた柔らかいチョコを口へ含む。口の中に甘いカカオの香りが広がったのと同時に、山岳の感触を唇に感じた。
ちゅく、ちゅ。そのまま暖かい舌を入れられて、チョコが倍の速度でほどける。チョコの香り、山岳の香り、チョコの味、山岳の味、甘いんだか苦しいんだか、何が何だかもうよく分からない。
思考が完全に止まる寸前で解放された。
｢は、ぅ…｣
｢甘くて美味しいでしょ？｣
息を整え、目が合った山岳の笑顔は先程のような天使でなく別のもので。
｢もう一つ食べたいな。｣
気がつけば私はチョコを口に含ませ、山岳に唇を重ねていた。
(チョコより先に私が溶けてなくなってしまいそう)
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Toシアさま
こんにちは、リクエストありがとうございます＾＾
真波とイチャイチャということで、バレンタインイチャイチャにしてみました…！
真波くんは天使の顔した小悪魔です、私のイメージでは。
わりと大胆な行動に出たり、相手をその気にさせるのが上手そう…恐ろしい子(゜゜)
何か意見等ございましたらお気軽にどうぞ！
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