reconstruction

「謙也っ…」
「く、ふ」
謙也が私の中でどくんと脈打ち、達したのが分かる。ずるりと引き抜いてゴムの後処理をすると、ドサリと私の横に横たわった。
「あーむっちゃ良かった…。」
「疲れた?」
「ん、ちょっとな。」
そりゃあれだけ動いてりゃ疲れるだろうな、と妙に納得してしまう。普段は犬みたいで可愛いけど、情事中は本当に本能のまま身体が動いてるみたいで。
「ははっ、名前、髪ぐっちゃぐちゃやなぁ。」
「これは謙也がやったんでしょ。」
「あれ?」
「覚えてないの?」
「お、おん…そりゃすまへんかったわ。」
髪に指を通しながら髪を整えてくれる謙也。さっきはこの指で髪を、身体を、心を乱されたのに。髪をすいた手は頬に触れ謙也の体温を感じた。じんわりと、そこから体が再構築されるような。今、この大きな手は私に安心感を与えてくれるのだ。
「謙也の手、好き。」
「おおきに…。」
私の手を謙也の上に重ねて言うと、照れ臭そうに笑われた。
「…なぁ名前。」
「なぁに?」
「もう一回せぇへん?」
「えぇ…疲れたんじゃないの?」
「戻った。」
「また髪ぐちゃぐちゃになっちゃうよ…。」
「またきれいにしたるから。」
彼の手は、何度も私を乱して壊して、何度も綺麗に戻す。これからもまたそれを繰り返すのだ。

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