new frontier

「ん、ぁ…!」

無意識に出てしまう声は、うつぶせに寝ているせいでどこかくぐもっている。

「新か、い…やめて、ダメッ あっ」
「だめじゃないでしょ?やめないよ。」

声は私の脚元から聞こえる。もっと言うと、ちゅ、と水気を帯びたような音も聞こえる。今の私の体勢では彼の姿は見えないけれど、それらの声や音、そして膝の裏に生暖かい感触と湿り気を感じて、現状把握はできている。

「…ねぇ、そんなにイイの?」

膝の裏、と言われて一気に体が熱くなった気がした。
私が思い描いていた性行為中の愛撫とは、胸とかお尻とか、あとは首にされるものだと考えていた。しかし、この新開と言う男との性行為は若干私の思い描いてた行為と違いが生じているのである。そもそも、新開は少しマニアックな個所を好んでいるような気がする。
この前だって私の指をしゃぶっていたと思いきや、指と指の間に舌をつっこんで手のひらまでベタベタにされたし、「お風呂入ったしイイじゃん!」なんて言いながら脇に顔を突っ込んで、私の抵抗も虚しくひたすらいやらしく舐めまわしていた。もちろん恥ずかしいけど、まだクンニリングスの方が幾分かマシな気がしなくもない。

そんな事を考えている間にも、膝裏への愛撫は繰り返され体が反応してしまう。不覚にも太ももに食い込む新開の指が痛気持ちいい。しかしそれを口にするのは場所が場所なだけに何だか癪だ。
そんな考えが見透かされてしまったのか、新開は膝から口を離し、後ろから私のパンツを脱がせた。外気にさらされて、秘部がひんやりとする。おそらく相当濡れているのだろう。

「触ってもないのに濡れてるなぁ?舐めながらこんナカいじったら、相当気持ち良いんだろうな?」

その言葉に私の体は大きく震える。

「膝の裏舐めてるとき、気持ち良かったけどイケなかったろ?でもこんなに濡らしちまう程気持ち良かったんだろ?」

すでに指はナカへ埋め込まれ、存在を主張するようにぐりぐりと動かされる。そのたび先ほど舐められていた個所がうずくと言うか、何だか物足りない感覚に襲われる。しかも新開もわざとやっているのだろう、イカせようとはせずゆっくりと、大きく指を動かして私の反応を楽しんでいるようだ。

「新、開 ねぇ、それやめて?」
「何が?」
「…そうやって焦らすの…。」
「可愛い名字を見てたいんだ。それとも何?もっと違うやり方が良い?」

ツツツと膝から太ももを指でなぞるのもわざとだろう。わざとだと分かっていても、私の体は本能に実に従順であり、快楽を得ようとしている。

「そこ、あん、もっと」
「もっと触れば良いの?」
「触るだけじゃやだぁ…。」
「ちゃんと言って。」
「さっき…みたいに」
「うん、」
「…舐めて、」
「それで?」
「ナカも 指入れて、ちゃんとイカせて、もっと、ぁっ」

指を奥まで突っ込まれて、太ももの裏に噛みつかれて。そのままお尻と太ももの間あたりを舐めたり噛んだり吸い付いたり、指でぐちぐちとナカをかき回されて、おかしくなってしまいそうなくらい体が痙攣する。
「膝の裏じゃなくてゴメン」なんて大して意味のない謝罪の言葉を述べられて。そんな事より変な所の性感帯を開発されたような気がして、そっちの責任を取ってもらいたいと心の底から思った。


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