perfume
オーガズムを迎え、また愛液が溢れるのを感じた。力が入らなくなってだらしなく開かれた脚。荒北の細い手は先程から前後に激しく動き続けている。
何度目か分からない絶頂。その瞬間を迎える度に、荒北は私の首筋へと鼻をこすりつけ呼吸を乱していた。
事の始まりは数分前、荒北に話題を振った事から始まる。
人の汗には性欲を刺激させる働きがあるらしく、首は特に強いらしい――。
口コミや噂の信憑性なんて皆無なのだが、本当些細な話題程度に、何気なく振っただけなのだ。
気がつけば後ろから抱きしめられ、首に顔が埋められた。抵抗する間もなく、するすると器用に手を服へ忍び込ませられぐにぐにと胸を揉まれる。強姦まがいだと思いながらも次第に荒北を求めてしまっていたわけで。ナカが疼く度、首に荒北の熱い呼吸を敏感に感じ取る。
「ハッ、すげぇニオイ。」
そう言い放たれ胸の突起を指ではじかれると、またピクリと体が反応した。
「アァやっぱりな。」
「な、にが?」
「名前チャンが感じるとえっろいニオイすんだよ。」
「鼻が良いとかのレベルじゃないよそれ…。」
「もっと感じたら、もっとスゲェニオイすんだろ?」
そう言うのと同時に荒北の手が太股にかけられた。
「イく瞬間、とかな。」
*
鼻が首元に擦れる感触や、乱れた息が首筋や耳の裏に当たる度に、自分の性感帯がココにあるのだと実感した。私が感じる度に荒北は首元に顔を深く埋める。荒北が顔を埋める度に私はより性的興奮を覚える。
「ん!あッ!!」
「ハァ、」
朦朧とする意識の中で、顔を上げた荒北と目が合う。私だけが弄り回されているのに、荒北の息は既に酷く乱れ頬は紅潮していた。
「荒北…」
「名前チャン…これどうにかしてくんナァイ?」
ぐっと手引かれて添わされたのは荒北のかたくなった欲。手を上下擦りつけて顔を歪める。下腹の辺りがきゅんとしたのが自分でも分かった。
「欲しいンだろ?」
また匂いで察したのだろうか。私の体の変化を憎たらしいくらいに見透かされてしまう。もう荒北の前では何も隠せない。
「言わなくても、分かるでしょう?」
少し強がってそう言えば、一瞬、驚いたような顔を見せて。でもまたニヤリと歯茎を見せ、体を引き寄せられて互いの欲の吐き出し口をあてがった。
「優しくはしねェから。」
けど、気持ち良くはしてやる。
ぐっと抱き寄せられた体を強く抱きしめ、荒北の胸板に顔を押し付けたまま大きく息を吸い込んだ。
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