侵す者与える者

首、肩、胸、腹、腰。待宮の大きな手が私の身体を侵していく。触れる度にその部位は熱を持って、血液まで浸透し体中を駆け巡る。

「ミヤ、」

喉まで毒が回ってしまったのか、自分じゃないような甘ったるい声が私の意志と反して唇からこぼれた。

「何じゃ、可愛らしい声出しよって。」

顔に添えられた手は優しいくせに私の理性を奪いたがる。
頬から唇へ、するりと移動した待宮の指。指を押し当てられて軽く口に含めば、もう止まりはしない。早くなる鼓動、上がる心拍数。

「ちゅ、ぁ」
「物欲しそうな顔しとるのう。」

そうだよ。もっともっと待宮が欲しいの。私を待宮でいっぱいにして。空いている片手をとって自ら身体に指を沿わさせる。腰、腹、股、脚。口内の指を出し入れしながら身体をなぞっていくと、中に指を埋められた。

「んっ!」
「ホラ名前ちゃん、こうして欲しかったんじゃろ?」
「ふ…」
「足りんか?エエッ?」

コクコクと頷くと指を増やされた。何度か指を出し入れして、ズボンを下ろした待宮がソレを押し込む。
中へ押し込まれて広がって、締め付けて引きずり出されて。そんな単純運動の繰り返しなのに、私の頭は、身体は壊れてしまいそうで。

「あっあぁ、ミヤ、ミヤ…」
「名前ちゃん中、最高じゃっ。」

私の身体を掴む手に力が入ってその感覚すらも快楽へと変換される。待宮の手は、身体は、私から何もかも剥ぎ取って本能だけにしてしまう。
身に纏う物も心を隠す物も、何もかも無くなった私。だから外からも中からも、あなたでいっぱいにしてよ。

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