私の好きな、

「うー眠たいぃ…」
「名前、ちゃんと髪乾かさなきゃ風邪ひくっショ。」

今日は巻ちゃんが泊まりにきている。巻ちゃんの豪邸と比べて私の一人暮らしのアパートなんて狭くてたまったもんじゃないだろうけど、よく遊びに来てくれる。
そして今私達はお風呂からあがったばかりなのだが、だんだんウトウトとしてしまった。

「頭かわかして。」
「だーもー!」

文句を言いながらもわしゃわしゃとタオルで髪を拭いてくれ、ドライヤーをかけてくれる巻ちゃんはやっぱり優しい。

「私もかわかしてあげるね。」
「いや、自分でかわかすから大丈夫ショ。」
「遠慮しないで良いよ。ほら。」
「…眠かったんじゃないの…?」

お構いなしに巻ちゃんの髪を乾かしてあげる。変な色の髪。でもきれいでこの髪が私は好きだ。

「はい、オッケー。」
「ん、ありがとう。」

そう言っておでこにちゅっと軽くキスをして頭をなでなでしてくれた。

「名前いい匂いする。」
「シャンプー?巻ちゃんも同じ匂いだよ?」
「んーでもちょっと違うショ。」

ぎゅっと抱きしめられてベッドに寝転がった。

「シャンプーと名前本来の匂いが一緒になったような…。」
「なんだそりゃ変態か。」
「まぁとにかく…俺の好きな匂いって事ショ。」
「恥ずかしいなぁ…。」
「クハハ。そろそろ寝ようか。」

巻ちゃんは飽きもせずまた頭をなでてくれた。



back


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -