「……えっと、こないだはさ、なんか変な感じになっちゃったけど、わたし全然気にしてない、から」







……っていう顔じゃないだろわたし。

思わずそうツッコミたくなるほど、
俯いていた顔を上げれば、緊張のためかやや表情の堅い自分と目が合う。
まだ誰もいない早朝の校舎の女子トイレで、つばさと仲直りをする為のシミュレーションを始めて20分くらい経過している。






「……練習でこんな緊張してどうするよ」






再び自分の顔を鏡ごしに見つめれば、どことなく情けない顔に見え、溜息がでた。

きっと、こういうところにつばさちゃんはイライラするのかもしれない。
反応薄いとか何考えてるのかわからないと言われたのは、何も今回が始めてではなかった。

いや、面と向かってあそこまでハッキリ言われたのは初めてだが、言い方に違いこそあれど、これまでも人にそういう印象を与えているらしいということは知っていた。

実際は割と思ったことはそのまま口に出すタイプなため、口に出す以上のことはほとんど考えていないのだが。






「……やめた」







なまえはポツリと呟くと、パチンと頬を叩いて女子トイレを後にした。
解決策は何も見つかっていなかったが、歩く足取りは数十分前よりも確実にしっかりとしていた。

















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短い!笑
長くなりそうなので一旦区切ります。


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