何なんだ。何だと言うんだ一体。
「あのー……」
おそるおそる声をかけてみる。
すると彼は悪びれもなくキョトン顔で私を見上げてきた。
「ん?あぁ、おかえり」
休み時間、ジュースを買いに購買へ行って帰ってきてみれば、幸村くんにわたしの席が占領されていた。
遅かったね、とナチュラルに彼はわたしに座れとでも言うように前の席の椅子を引いた。
いや、あのそこ山田くんの席……いいえ、なんでもありません。
「幸村くん……そこ、私の席だよね?」
「うん、知ってるけど。」
それが何か?とでも言いた気な目で、彼は私に笑顔を見せた。あ、いや、なんかスミマセン。
……待て待て待て。おかしいおかしい。
なに当然のように私の席に座って私のプリ帳とか楽し気に見てんだ。ねえ、プライバシーって、知ってる?
「ねえ、それよりこれ、何?なんで赤也と2人でプリクラ撮ってるの?」
「え、いや、赤也はだって……幼なじみだし」
え、何かわたし若干責められてる?責められてるよね?ていうか、何でこの人ちょっと怒ってんの?
「俺聞いてないんだけど」
「え、言ってないし」
「は?」
つい素の調子で返せば、
……は?って言われた。
いや、は?って何だ。こっちのセリフでしょうが。
意味わかんないし。何なんだ。
もうやだこの人恐いんですけど。
「……あの、なんで、私幸村くんに
怒られてるの?」
「……何でって、言ってなかったっけ?俺みょうじさんのこと好きなんだよね」
え、なにそれ、聞いてない!
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勝手すぎるぜ魔王さま!
2012.03.06.加筆修正
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