太陽が嫌いだった。燦々と降り注ぐその光は、醜い己を嘲笑っている様に見える。「なぁに暗い顔してんだ、お前は」痛い位に背を叩いてくる男は、こちらを見ながら豪快に笑った。眩しい。その耳障りな笑い声も、くしゃくしゃな笑顔も、全てが嫌いな太陽と重なってくる。「…五月蝿いぞ」その光は心の奥底の、見たくない所まで余す事なく照らしてしまうのだ。頼む。頼むから。これ以上、自分が間違っているかもしれないなどと気が付かせないでくれ。 - 1 / 1 - ≪prev next≫ ▽栞を挟む