たゆたう、たゆたう。
にげて、にげて、にげて、こばんで。
闇につかまらないように。
そうやっていたら独りになっていた。
それにきづいていたのに、わたしはにげるのをやめずにひたすら、もがいていた。
わたしはほんとうに独りぼっちになった。

はしりつづけていたからとうとう。
あしがもつれて。
ころんだ。
ちゅうに、舞った。

その瞬間、あたまをよぎる記憶記憶きおくきおくきおく。
わたしのしらないきらきらした、それら。
わたしのみてないもはや過去の、ひかり。
わたしがみないふりをしてきた、日常のきおく。

地面にたたきつけられるそのちょくぜん。
わたしをおおう、なにかでめのまえがまっ暗になった。
それはわたしの躯をすみずみまでやさしくつつみこんだ。
なまあたたかくてやわらかい、ごくじょうの羽毛ぶとんのようなそれにわたしは躯をまかせた。


なんだ、つかまれば、楽だったのね。


のみこまれる。
さっきみたひかりに焦がれるほどした羨望すらわすれて。

闇に、のみこまれる。





















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