メールが来ていないことが分かっていながら携帯を開く。
案の定なにも表示されていないまっさらな待ち受け画面を刹那も見ていたくなくて私はすぐにぱちん、と閉めた。
暫く膝のうえにのせていたそれを再び開くと、送信するつもりもないのに新規作成画面を開いた。
私はそれに、吐く。
どんどんどんどん、自分の慰めを。
どんどんどんどん、自分の憤りを。
どんどんどんどん、自分の淋しさを。
どんどんどんどん、自分の甘えを。
どんどんどんどん、自分の、。

打ち殴られたその句読点だけで区切られた感情の嘔吐物は静かに下書き保存ボックスに収納された。

いつまで八つ当たりを、つづけるの。
わたしはわたしに問いかける。
ぼくは大丈夫だよ。ずっと、味方だよ。
すると床に投げた白い機械は優しく答える。
ありがとう。
わたしは泣きながら、それを拾いあげ、抱きしめる。

いとしい、いとしい、わたしの、親友。

ごめんね。



















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