がくんと首が大きく揺れて目が覚める。いつのまにか寝ていたみたいだ。時計をみたら昼の3時だった。座って寝ると首を痛めるな、なんて考えながら頭を回して体操をした。
ふと足に重みを感じて見やると、コロの寝顔が目に入った。すやすやと子どもみたいな顔をして眠っているコロ。未だ半分寝ている頭をゆっくり起動させ、そういえばコロの家に来ていた事を思い出した。


「ねー・・、起きて。」


ゆさゆさと肩を揺さぶる。コロは眉間に皺を寄せただけで起きなかった。足痺れそう。
コロのおでこを指で弾く。うー、とうめくが起きる気配はない。よく寝ているみたいだ。今なら顔に落書きしても気付かないだろう。
コロが地蔵のように寝ているのでわたしはなんとなく辺りを見渡してみた。乱雑に積み上げられた雑誌、脱ぎっぱなしのパーカー、ほこりの積もった鉛筆削り。どこを見たってコロのものしかなくて(当たり前か)、どれもコロの気配がして、なんだか胸があつくなった。
手を伸ばしてコロのパーカーを引き寄せ、ぎゅっと抱き締めてみる。パーカーからはコロの匂いがして、当たり前なのに、涙が出そうになった。


「・・うー・・・・、」


びくっと体が飛び跳ねる。わたしの足を枕に寝ているコロが寝返りを打っただけだった。びっくりして心臓がばくばくいっている。

なんでわたしパーカー抱き締めてるの?
なんでわたしパーカーの匂い嗅いでるの!

突然恥ずかしくなってパーカーを元の場所に急いで戻す。手元にあったコロの匂いが、気配が、遠くなったように感じた。するりと何かが心から抜けていく喪失感。さみしい、頭がその感情でいっぱいになる。本物のコロがわたしの膝で寝ているのに。不思議で、でもその寂しさは確かで。
わたしはパーカーを再び引き寄せ、ぎゅっと抱き締めた。気が済むまでそうしてから、ぐーぐー寝ているコロに掛けてやる。
寝ているコロの顔は幼くて、身長の高くないわたしがコロを見下ろせるのが新鮮で、いとおしくなった。

足が下敷きにされて身動きが取れないのでコロの頭をなでる。すきだよーって、恥ずかしくて普段言えないけれど心の中で叫びながら。
気付かない間にこんなにコロのことが好きになっていたなんて。

それがなんだか悔しくて、こんなに好きなのに当の本人がのうのうと寝ているのも悔しくて。
とりあえずそこら辺に転がっていたボールペンで、額に『バカ』と書いてやった。






















***
『つまらない』のお二人。
ゆりか先輩とコロッケボーイ。



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