shootingStar[完結] | ナノ
予測不可能なキミ-epilogue-
振り返れば

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インターハイ決勝戦
敵は青葉城西高校。

花がすでに座っているらしくスタンド上から探す。


あれ…白鳥沢あっちか。


反対側に来てしまった名前。
そのまま踵を返したところによく知る顔が入ってきた。


「あ、名前じゃん。」

「げ…」

「げってなんだよ。」


見慣れた顔、制服。
元カレの相楽奏生の姿だ。


「何してんだよ。」

「そっちこそ、何してるの?」

「応援に決まってんだろー?」

「こっち青葉城西。」

「え?」


やっぱり…と名前はクスッと笑う。
どうやら目の前の彼もスタンドを間違えたようだ。


「笑ってるけど名前も間違えたんだろ?」

「…うるさいなぁ。」


ニヤニヤして名前を見る相楽と共に白鳥沢側のスタンドへ向かう。


「天童とはうまくいってんの?」

「この前話した。」

「いや、うまくいってるかは聞いてねぇだろ?」

「付き合ってまだそんなに日、経ってないんだけど…?」


相楽は「だってお前ら数ヶ月前から付き合ってる感じあんじゃん。」と笑う。
振り返れば、まぁ、確かに…と思う名前。


「まさか、天童と名前が付き合うとは思いもしなかったぞ。」

「それは、私もだよ。」

「ん?」


私も、思いもしなかった。

ただのクラスメイト。
花と仲のいい、お調子者。
男子バレー部のレギュラー。

知るようになってからは、

意地悪なとこ。
優しいとこ。
ゲスいとこ。
甘いとこ。
面白いとこ。

いろいろ知った。


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