shootingStar[完結] | ナノ
線のその向こう側
カッコいい

▼ ▲ ▼


天童が教室に入れば、真っ先に向かうは名前の元。
花と楽しそうに会話する彼女の姿を見て少し身を引いた。

すると、真っ先に花が天童を見た。
ビクリと肩を震わせる天童は、身構える。


「何もしないわよ。」

「何もしてないもんネ。」


花の言葉に天童はホッと胸を撫で下ろしたと共にそう言う。
天童のケロッとした顔に花は目をパチパチさせた。


「え?何もしなかったの?」


名前に視線を向けた花。
天童はそこへ歩みを進める。


「うん。天童が寝ちゃったからね。」

「エ。ソレって俺が寝なかったらしてもよかったってこと?」


名前の言葉に花が「いや、そういうことではない。」と天童に即否定し、彼は「なんだぁ」と肩を落とした。


「まぁ毎日朝練だしそりゃねぇー?」と不敵に笑う花。
天童は「何も言えません。」と目を瞑った。


「天童きょう怒られてたね。」

「え?!なんで知ってるの?」


ギョッとした天童。
名前はニコニコしつつ「朝見に言ったよ」と答える。

花は天童に「怒られてたのぉ?」と小バカにするように天童を見た。
しかし、そんな言葉耳に入っていない様子。

天童は「じゃあじゃあ俺のブロック見た?見た?」と名前に問いかける。

名前は、「あれ凄かったね。」と思い出した。


「五色くんのスパイク止めたの。」


と言った瞬間、天童は「デショ?カッコよかったっしょ?俺!」と鼻を高くする。
半分冗談で言っていた天童に名前は「カッコよかったよ。」と笑顔を見せた。


天童がぴたりと動きを止めた。


「…名前ちゃん、今からオレの部屋に」

「またか。もういいわソレ。」


花の鋭いツッコミに天童が「ちょっと、今絶対、イイよ!って返事くれるとこだったじゃん?なのに花ちゃん台無しにしたよね!?」という嘆きと共にチャイムが鳴った。


[ 50 / 70 ]
prev | list | next

しおりを挟む