迷いのない自信
もっと…
▼ ▲ ▼
「ハァ…天童…っ…」
もうすぐホームルームが終わりを迎えるという時間、天童の甘ったるいキスの嵐に答えるのに必死な名前。
天童の制服をギュッと握りしめ、眉は八の字にして一生懸命気持ちを受け入れている。
そんな彼女が可愛くて、離しては深いキスの繰り返し。
お互いの熱い吐息が漏れ始めたころ、彼女の口から溢れる声。
「んっ…っ…」
堪んない。
名前ちゃんの声だけで、俺を煽るには十分だネ。
とりあえず、ここは学校でしかも屋上。
理性だけは保っておかないといけないな、と天童は思った。
「てんど…う…」
「ん〜?もうギブアップ?」
唇が離れた隙をついて、名前が天童の制服を握りしめていた部分を解放して押し離した。
やんわり押され、「本当にやめて欲しいと思ってんのかね?」と問いかけようとした時…
彼女の手が天童の肩を掴むと潤ませた瞳で上目遣いをした。
目が合い、大きく胸が脈打つのがわかった。
「もっと…キスして?」
「っ…」
油断していた。
名前ちゃんは、予想外のことをしてくる女の子だってわかってるつもりでいたんだ。
理性が、一気に切れた気がした。
「名前ちゃん、俺不足?」
「てんど…?!」
そのまま、押し倒された名前。
上にいる天童を見つめて顔を赤くしたら、背ける。
「可愛い。名前ちゃん。」
「っ…んん…」
首筋に舌を這わせれば天童の肩をギュッと掴み、身を震わせた。
制服の上から胸に手を添える天童、その瞬間だった。
バタン!と扉が盛大に開かれ、ハタッと全員の動きが止まる。
「ゲェ。」
扉を見て、天童は顔色を変えた。
そこには負のオーラを纏う花の姿があった。
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