お調子者は相変わらず
今のままではダメ
▼ ▲ ▼
「そのままだと、振られちゃうかもよ〜?」
「っ…うぅ…」
名前も感じてはいた。
天童からのアクションが多く、それに上手く反応出来ていない自分と、受け身になっている自分がいることを。
「…モテるのもわかる。」
「天童?」
「うん…」
だって、あんなにドキドキさせられることないよ。
何してたって、ドキドキしてるよ?私。
付き合い出してから、好きな気持ちは止まることを知らない。
「でも、取られたくない…」
今のままじゃ、ダメだ。
「エー?何を何をーッ?」
陽気な声に花はげんなりした。
名前の不安とは反対に、本人はがばりと彼女を抱きしめる。
「…アレッ?反応がない?」
普段ならすぐさま「教室!抱きつくの禁止だって言ってる!」と突き放されてしまう状況にある…にも関わらず、固まる名前に天童が自ら離れた。
顔を覗き込めば、目が合う。
それだけでドキドキしてきた名前は視線を逸らす。
「……。」
「なにっ?この名前ちゃんの反応…オレどう捉えれば正解なの?」
花に問いかける天童。
「どう見える?」
腕を組んで天童を見上げる花。
「…可愛いしチューしようかなと思うよネ。」
「お前ちょっとそこ座れ。」
「え。聞いたの花ちゃんだし〜暴力反対!」
そう叫ぶ天童の制服が引っ張られる。
それに黙って視線を向けた天童。
「天童は、私のこと、好き?」
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