お調子者は相変わらず
変化
▼ ▲ ▼
不安気な彼女をじーっと見つめる花。
何て声をかけようか、そう考えていた時、ふと思ったことを口にした。
「…名前さ、可愛くなったよね。」
「…なに、突然…?」
「ううん。まぁ今また思ったって言った方が正しいんだけど…最近、間違いなく可愛くなったよね。」
冗談で言っているような表情をしていない花を見て名前も「冗談はやめてよ」なんて言えず俯いて「そんなの自分じゃわからない…」と呟く。
花はふっと口角を上げると「彼氏のお陰かなぁ?」と何か探るように名前を見る。
その視線に難しい顔をすると、「何か変わった事してるわけでもないよ?」と首を傾げた名前。
不敵に笑う花の姿が目の前にあった。
「天童に甘えたりするの?」
「えっ…」
甘える…?
難しい顔をして考え始めた名前に花がいくつか問いかけてみる。
「例えば自分から抱きついてみたり…」
「それは…告白した日以来ない…」
「じゃあワガママ言ったり?」
「ワガママって…?」
「ずっと一緒にいたい、とか。」
平然と言ってのける花とは裏腹に名前は頬を赤くする。
首を左右に振って「無理だよっ」と言う。
その様子を見てクスッと笑う花。
「好きもそうだけどさ?やっぱり、言葉で伝えると伝わりやすいんじゃない?それが無理なら、スキンシップあるのみ。」
名前はきょとんとした顔で花を見る。
prev | list | next
しおりを挟む