君は誰のもの
話が逸れた
▼ ▲ ▼
天童は「他のコ?」と首を傾げる。
「この頃名前が彼女だってわかってからアンタに寄り付く物好きはいなくなったと思ってたけど…」
「言い方悪っ!!物好きってそれ名前ちゃんにも言えちゃうからね?」
「名前物好きだもん、ね?」
「…。」
花の目を見てから、そっと天童を見る名前。
「うん。」と頷く彼女を見た瞬間、花はニヤリっと笑い、天童は「俺そんなに他の人と変わらないよ?」と自分を指さす。
「どこがよ。」
「イケメンなところとか!!」
「もうそれ自分で言っちゃう時点で名前は物好きになってしまうわ。」
「花ちゃんはそうかもだけど…俺と名前ちゃんはこれを普通と捉える人間かもじゃん?」
「じゃあ名前に聞いてみな?自分はカッコいいのかって。」
いつもの如く花と天童の言い合いに。
天童の話は一体何が言いたかったのかすらまだわからない。
いつもだけど、話が逸れる…。楽しいからいいんだけどね。
「ネッ俺イケメンだよね?!」
「…それは、表面的に?それとも内面的に?」
「エッそれって両方じゃダメってこと?!」
「名前、もうこの際だからハッキリ言ってあげないと、このままずーっと調子乗り続けるよ?」
「それもそうだね。」
花と名前の会話を聞いて天童は身を引いた。
「アッ!俺用事思い出した!じゃね〜名前ちゃん。」
「…逃げた。」
ふっと笑う名前。
花も小さく笑った。
「でも天童何言いたかったんだろう…練習試合だっけ?」
「見に来て欲しいんじゃない?」
名前は「練習試合って見に行けるの?」と花に聞くと、花は「えっ知らなかったの?」と目を見開いた。
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