君は誰のもの
今度
▼ ▲ ▼
「ネッネッ名前ちゃん。」
天童が名前のそばに歩み寄って来るなりニコニコしながら少し首を傾げた。
「ん?」
「今度さ、今度だよ?今度ねー?」
「何回言う…。」
花にとても呆れた顔を向けられる天童。
彼は花を見てへらっと答える。
「3回だね。」
「…名前さんに何の御用でしょうか?」
慣れたように天童の要件をすぐさま聞き直す花から視線を名前へ向けると机に手をついた。
「今度、ウチで練習試合があんの!」
「「へぇー」」
関心する名前と花に「いや、へぇーじゃなくて…」と手を振る。
「名前ちゃん見に来てくれるかなぁ?と思って。」
名前の机の端を両手でもってしゃがみ込む天童。
まるで机から何かを覗いてるような姿だが、珍しい視線の位置に名前はどこか心燻られる。
「なんか天童可愛いね。」
「は?」
「エ?ナンデ?」
花は意味がわからないと言う表情をし、天童は天童で、どうして今それを言ったの?と不思議そうに名前を見る。
「天童より視線が下になることなんてないから…」
「あんたデカすぎよね。」
「え〜そんなこと言われても小さくなれないよ?」
首を傾げる天童。
名前は苦笑いをする。
「背が低い天童は…嫌かもね。」
「じゃあじゃあ俺のどこが好きっ?」
「答えなくていいよ、名前。言ったってコイツ調子に乗るだけだもん。」
「花ちゃんっていつも俺にケチだよね。好きなの?」と花を睨む。
花も腕を組み「アンタそういうこと軽々しく他のコにも言ってんじゃないでしょうね。」と睨む。
名前は首を傾げる。
他のコって、他の女の子ってこと?
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