お調子者は相変わらず
理由
▼ ▲ ▼
「え?え?」と瀬見と名前を交互に見る天童。
その目の前で、名前が「うーん…」と唸る。
「近いけど…ちょっと違う気がする。」
「え?」
彼女の言葉を聞いて瀬見は胸を撫でおろした。
天童の発言、いつも心臓に悪いんだよな。と呆れた顔をする。
「最近、天童がモテることがさらにわかるようになってきて…怖くなって…。」
その言葉を聞いた天童が「英太くん、聞いた?今の。」とニヤリと不敵に笑う。
「それはわかってたことだろ。」
「そうだったネ!」
瀬見はぐっと込み上げてきた苛立ちを抑えた。
口を尖らせた天童を不思議そうに見る名前。
「それで聞いたってこと?」
「ううん、本当の理由は…」
小さな声で話す名前の声に耳を傾ける天童。
「おい、瀬見〜」
「ん?」
リベロの山形が立っている瀬見を見て声をかけた。
「白布が遅れて来たから、アイツ最後。」
「おーわかった。」
「…?天童は何してんだ?」
「見てのとおり。」
と、視線を向けた二人の先に話を繰り広げている二人。
「見張り、ご苦労さん。」
「俺は天童のなんだ…。」
瀬見は苦笑いするしかなかった。
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