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禁止語句ふたたび


季節は秋。
秋と言ってもよいものなのか定かでない。
最近では夏か冬かという極端な気温変化に世間は驚かされている真っ只中だ。

音駒高校の生徒も服装に難儀していた。
それは、男子バレー部でも話題になる。


「きょう寒いよなー」


そう言ったのはリベロの夜久だ。
ジャージを着てはいるものの、昨日は気温が高くどちらかといえば夏気候であったため足元は短パンだ。

それは他の部員も同様だったが、中には半袖半ズボンの者ももちろんいる。


「寒すぎ、動きたくない」


部員一着込む寒がりな研磨が小さく呟く。
隣の夜久が彼を見るなり苦笑いをした。


「研磨はいつもだよな〜」
「…夜久くんは体温高そうだよね」
「背が高いのは俺です!」
「……」


研磨と夜久の間、頭上から現れたとても失礼なことを言うリエーフはにっこにっこして二人を見下げている。


「さぁ練習するか〜」
「あ、名前」
「無視しないでください!」


言い合う夜久とリエーフを背に準備室から姿を現した上下ジャージ姿のマネージャーへ声をかけた研磨。


「…」
「…」
「…」
「…なに」


黙ったままじっと研磨を見つめる名前に首を傾げてみれば、彼女はヘラッと笑った。


あ、嫌な予感。


「口塞ぐよ?」
「か…なんで?!」


今、“か”って言ったよね、と聞けば彼女は視線をどこかへ逸らす。


「禁止にした」
「でも、二人っきりのときなにも言わな―…」
「イチャイチャしてるそこの二人、練習始める…その前に…」


黒尾に呼ばれ二人とも視線を彼へ移せば、企んだ笑みを浮かべていた。


「名前のその言葉の続きをぜひ聞きたいなと思う」


黒尾から視線を彼女へ向ける研磨。


「…とにかく、次言ったら怒るから」
「…はい」


しゅんとする名前。
「無視すんな、オイ」と黒尾が遠くで呟くように言った。


後に、名前は言う。


“研磨の萌え袖が可愛かった”


-End-