Collaboration project!【更新中】 | ナノ

イチャつく二人を見た部員たちA


部員達の視線の先はちらちらと彼女たちに向けられる。


「返してくださいっ」
「俺のだ。」
「違いますよ。私のですよ。」
「は?平然とした顔で言う言葉じゃねぇんだよ。」


いたっ、と頭部を抑える名前。
その視線はキッと目の前の意地悪な主将を睨む。
当の本人はニヤニヤと企んだ笑みを続ける。


「ムカつく…」
「おい、待て。」
「…。」


踵を返し、部員達の集まる元へ歩んで行こうとした名前。
見ていた彼らは慌てて視線を逸らす。
背後から呼び止められ、ちらっと顔だけを横に向けた名前。
それを見ていた部員達は思った。


なんだかんだ…好きだから、名前(苗字)。


「いや、何でもねぇわ。」
「っ…」


手にしたボトルを口づけた黒尾の姿。
部員達の顔は呆れ切っている。
しかしその顔は驚きに変わった。

ズカズカと黒尾の元へ歩いていった名前の姿にだ。


「謝れバカ!」
「ゴホッ…!おまっ…なにすん…」


ざまあみろ、と言わんばかりの顔をして踵を返す名前。部員達は苦笑い。


その彼女の背後でむせていた黒尾が、黙っているわけもなかった。
彼女の背後からその腕をつかむ。


「名前…」
「…ずぶ濡れ…」


ドリンクでシャツはベタベタな状態。
その姿を見た名前がクスクスと笑う。
黒尾は呆れた顔をした。


「お前ね…笑ってる場合じゃねぇんだよ。わかってる?」
「別に、黒尾先輩のことなんて知ったこっちゃないです。」
「可愛くねぇぞ。」
「別にいいです。」
「俺は可愛い名前ちゃんが好きなんですが…」
「…。」


黙り込む名前。
ニヤニヤする黒尾。


「お前、早く着替えれば?」


鰭を切らした夜久が冷たくそれだけ言うとボールを持って彼らの隣を通り過ぎていく。

現実に戻された二人。
赤面する名前。


「体育館のど真ん中で愛を叫ばないでもらえると嬉しい。」
「…。」


ボソッとそれだけ言って夜久の元へ向かう研磨。
名前はそんな研磨の背に向かって「愛は叫ばれてない!」と反論した。


-END-