Collaboration project!【更新中】 | ナノ

いつか、その時に…


「あの…もしよかったら―…」


ある日のお昼休み、昼食を食べる時間にはあまり出歩く者もおらず、周りには人はいない。
はずなのに、近くから声がする。

天童がチラッと見た先には男女の姿があった。


へぇ、告白…他の人の告白場面なんて俺はじめて見ちゃったよ。


興味津々にそこを見つめていた天童だったが、男女二人は話が終わったのかその場で別れる
男の方がこちらへ向かって歩いて来るのを見て、天童は足を止めた。


「ヤッホー、奏生くん。」
「…見てたのか。」
「たまたま通りかかっただけ。可愛かった?」


教室に戻るのか相楽の隣を歩く天童。


「名前よりいい子はいない。」
「…何ソレ。俺に言ってんの?」


相楽を横目に口角を上げる天童。


「でも、アイツも冒険したな。」
「名前ちゃんのこと?」
「そう。まさか天童と付き合うなんて、思ったことなかったよ。」
「俺の意外な一面を見て惚れちゃったんだろうネ。」


おめでたい天童の脳内にふっと小さく笑う相楽。


「名前、元気?」
「うん。オレがいればね。」
「お前…その自意識どっからくんの?」
「羨ましいっしょ?」
「うん。羨ましい。」


ふふん、と笑う天童が「あ。」と何かに気付いたように声をあげた。


「名前ちゃんって奏生くんとどれくらい付き合ってた?」
「俺と名前は…1年と半年以上は付き合ってたな…」
「なんで別れたの?」
「んー…天童もそのうち来るぞ。そういうとき。」
「へー。じゃあ俺そうならないように気を付ける。」
「できるものならな。まぁ頑張れよ。」


校舎に入ったところに名前と花の姿を見つけた相楽は「じゃ、」と天童に軽く手を挙げてそばの階段を上がって行ってしまった。
天童はそのまま名前の元へ向かう。


「あ、天童覚。」
「奏生と話してたの?」


名前の問いかけに「うん、そう。」と答える天童。


「奏生くんって、カッコいいヨネ。」
「今更気づいたの〜?自分が劣っているということに。」


花が意地悪な顔をして天童にそう言う。
しかし彼はううん、と普通の表情で


「俺の方がもっとカッコいいっしょ!」


と言ってのけた。


くすっと笑う名前を見て花が「あんたが甘やかすからコイツどんどん調子乗ってくわ。」と彼女の腕を引っ張った。


-END-