Collaboration project!【更新中】 | ナノ

イチャつく二人を見た部員たち@


朝練を終えたバレー部員が揃いもそろって教室へ移動をする。
白布がチラッと見た先にいたその人に「うわ…」と小さく呟く。
川西が「どうした?」と尋ねれば、静かに指をさす。
「あー…天童さんのカノジョ。」と口にした川西に白布が「口に出すなよ…」と言ったがもう遅い。


「名前ちゃん!!」


川西の声を聞いて辺りを見た天童が彼女の姿を捕らえて駆け寄る。


「なに、白布…天童さんのカノジョが嫌いなの?」
「いや、そうじゃなくて…」


ガバッと彼女に抱き着く天童を見て、部員たちは“うわぁ”と引き攣った表情を見せる。


「ああいうのを見たくなかっただけ。」
「朝からキツイわ…」


白布の隣で川西が前へ向き直る。
そんな彼らの前で瀬見と大平がその光景を見て呆れていた。


「誰か霜月呼んで来い。」
「霜月居なかったらアイツも遠慮がないな。」


周りの視線関係なく密着し続けている二人。


「公共の場でやめてほしい…」
「アレ普通にやってるからな。」


瀬見の呟きを聞いた山形がその横をスッと通っていく。


「一回監督にバレたらいいと思う。」
「そういえばこの前、空き教室でイチャついてたら監督にバレて怒られたらしい。」
「…ホント懲りないヤツだな。」


瀬見と大平がそんな会話をしながら教室へ向かう。
その背を追うように白布と川西も階段を上がる。


「監督が怒るってどんな感じなんですかね。」
「しかもああいうのを見せつけられた時って…」


後輩二人からの問いかけに前を歩く瀬見と大平が言う。


「いつも以上に厳しくされる。」
「やたらと怒られるんだよなぁ…」


想像をしただけで“嫌だ。”と思う後輩二人。
そんな話をしていた頃、相変わらず名前にベタベタしていた天童の目の前に現れていた。


「…。」

「「…。」」


無言でその場を去っていった鷲匠。
天童は固まったまま微動だにしなかった。


-END-