After the confession from my dream girl.
バタン、と自室の部屋の扉が閉まると同時に、夢だったんじゃないか?と思い返す。
ついさっき、ずっと想い続けていた人から告白があった。
名前と、俺…付き合ったんだよな…?
“夜久先輩が好きです。”
思い返して、一人顔を赤くする。
「あー…」
“大好きだよ”
自分がそう言った時の彼女の顔を思い出して恥ずかしくなると同時に込み上げてくる気持ち。
可愛すぎ…。
今こんなんで、これから先大丈夫かな。
ずっと想い続けて来た相手は、他の人をずっと想っていた。
だから、この気持ちはずっと叶わないかもしれないとさえ思い始めていた矢先の展開。
…しかも最近避けられてる感じあったし…何か嫌われるようなことしたかと思ってたけど、そうじゃなかったのか。
何はともあれ、嬉しいものには変わりない。
ただ、夢でなければの話。
「夢みてぇな話なんだけど…」
でもハッキリ自分の口で気持ちを伝えたし、この腕で抱き締めもした。
…彼女になったんだよな。ってことは、いろいろ変わるよなぁ…。
そう、まずは周りから整理していかなければならない。
一番の問題は黒尾。
部活も同じだし、一番周りをよく見ているためすぐ気づかれるに違いない。
隠すことはまず不可能だ。
じゃあ、ハッキリ話すか…?
ちょっと気まずくはあるけれど…普通にしとくべきだな。
あとは、厄介な奴が一人…。
夜久の脳内で“俺の名前はめっちゃ可愛い!”と自信満々に言う兄、苗字結葵の姿が浮かぶ。
名前から聞くだろうけど、絶対何か言ってくんだろ…
アイツ妹すげぇ好きだからなぁ…。
明日のシスコン兄のことを考えれば、自然と表情が崩れる夜久。
夜久にとっての一番の強敵であることに間違いはない。
…絶対うるさいだろ。
大好きな妹に彼氏ができてシスコンが黙ってるわけねぇもんな。
考えれば考えるほど結葵に会いたくなくなってくる夜久。
しかし、自分にとってもとても好きな相手だ。
その名前が自分を好きだと言ってくれたことを支えにすれば、シスコンの兄なんて厄介者と捉えてはいけない気さえする。
それほど、好きな相手だ。
名前に振り向いてもらえたけど、これからが大事だよな。
すぐ近くにはすぐにでも横取りしそうな男がいるため、気を抜くことはできない。
そして出てくる兄の顔も消すことはできない。
「名前と二人っきりになるには中々苦労しそうだな…」
夜久の脳内は彼女のことを考えては、兄と黒尾の存在が妨げになることを考えてど“これからどうしようか”と考えていた。
-END-