Joker Lover | ナノ
4 of Clubs
何の話?

◆ ◇ ◆


始業式が終わり、午後から部活に入る。
もちろんマネージャーの名前も体育館に入るが、その背後から「ねぇ、」と声をかけられ足を止めた。
振り返れば、シューズを持った研磨の姿。


「研磨…何?」

「名前さ、同じクラスの岸と仲良いでしょ?俺忘れてたけど…」

「うん。」


体育館に入り、シューズを床に置く研磨の隣に座り込む名前。
同じクラスの研磨は蓮耶のことを知っていた。


「岸のこと、名前はどう思ってるの?」

「どうって?」

「好きか嫌いか。」

「え…そんなの…普通としか…」

「…普通って?」


研磨と目が合い、戸惑う名前。
彼は、どういう答え方を求めているのだろうか?と不安になる。


「ただの友達。って言えば大丈夫?」

「ただの友達ってことは…」

「おい、そこで喋るな。」


そことは、体育館の出入り口の前。
そして、背後から入って来た黒尾が研磨と名前に注意をする。


「仲良しなのはいいけど入口は塞ぐなよ〜」

「はい。」


立ち上がった名前と研磨の間を通っていく黒尾。
少し先まで行ったところで、踵を返し、首を傾げた名前。


「…で、何の話?」


研磨が盛大なため息をついた。



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