4 of Clubs
似合わねぇ
◆ ◇ ◆
一番仲の良い友達、“岸 蓮耶(れんや)”。
バスケ部で無邪気、元気、やんちゃ男。
そしてうるさい。
でも、良い奴。
「夏休み全く遊んでくんなかったな。」
「だって部活だったし…」
「まぁ俺も部活だったけどさ…」
蓮耶の前の席に座る名前。背後でガタッと大きな音を立てた彼は「はっ?部活?!」と大きな声を出した。
周りのクラスメイトが彼に注目する。
「待て待て待て…部活入ったの?いつ?」
「夏休み入った時。」
「何部?」
「バレー部。」
「え?何でバレー?」
取り敢えず目立っている彼を座らせると同時に落ち着かせる。
「男子バレー部の黒尾先輩いるでしょ?」
「おう。」
「誘われたの。」
「へぇ〜名前をね。」
「そうそう。」
「…え、は?」
流してくれたと思ったが流してはくれなかった蓮耶を名前は呆れたように見つめる。
「ってことは何、バレー部って、マネージャー?」
「そうだよ。」
「マジかよ…」
信じられないものを見た後のような反応をする蓮耶に何か声をかけようとした名前。
しかし、彼の肩が僅かに揺れていることを確認してさらに呆れた。
「何笑ってんの…」
「だって…お前がマネージャーって…似合わねぇっ」
「うるさいなぁ…」
「そいやお前黒尾先輩のこと憧れだって言ってたよな。本人に言った?」
「言ったよ。」
いや、アレは言ったというより聞かれていたの方があっているがこの際どうでもいい。
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