Joker Lover | ナノ
8 of Clubs
わからないことばかり

◆ ◇ ◆


「付き合ってねぇよ…」

「じゃあアレ!前合宿ん時に言ってた『女で悩んでる』ってヤツ!嘘だったんだな!」


そんなこと言ったなぁ、と忘れかけていた黒尾は、苗字を指さして「女だろ。」と言う。


「クソ悔しい…音駒マネージャー見てろよっ今に音駒を叩きのめしてやるからな!」

「聞こえてねぇのかよお前は。」


何に悔しがる必要があるんだ、と呆れる黒尾の背後で名前はじっと赤葦を見る。

木兎を連れて赤葦はその場を去る。


「アレ、アイツの普通だから。」

「あのっ!」


シャツを引っ張る名前に少し驚いた黒尾。
引き気味に、何。と問いかければ名前は目を輝かせて「さっきの人誰ですか?」と聞く。


「木兎のこと?」

「木兎さんはわかりました。違くて、その後ろの…」

「……あー、何、気になんの?」


赤葦のことだとわかると、黒尾は名前に不敵に笑って見せる。
その顔を無視してコクリコクリと頷く彼女に、少し機嫌を損ねる黒尾。「赤葦。」とだけ答えた。


「どこの学校の…」

「黒尾さんー苗字さん見な…いた。」


山本が現れ、黒尾は「俺部屋見てくるわ。」と山本に告げ、その場を去る。

名前は山本を見て「ねぇ、赤葦さんってどこの学校の人?」と問いかけた。








「えっ音駒のマネージャーになったの?」

「はい。よろしくお願いします。」


山本に連れてこられた先は他校のマネージャーと共に寝泊まりする教室。
そこにいたのは梟谷のマネージャー二人。


「よかったじゃん〜ずっとマネージャー欲しいって言ってたんでしょ?黒尾から聞いてた。」

「えっ、はは…」


照れ笑いをする山本を見て「そうなんだ。」と思う名前。

口が裂けても言えない、黒尾に交換条件でマネージャーになれと言われたなんて。


「何年?」

「二年です。」

「おぉ〜二年のマネージャーいないから、なんか新鮮。」

「烏野の子は一年だもんね。」


二人の会話から、梟谷のマネージャーは先輩だということがわかる。
烏野とは、違う学校ことだろうか?とわからないことが多い名前はもうすでに頭の中はごたごたしていた。


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