赤いリボンの猫-続編-[完結] | ナノ

久しぶり


春高までの合同合宿、残すところ2回。
久しぶりに会う合宿メンバーに少し心躍らせながら合宿の準備を行う名前。

一番早く着いたのは梟谷学園の面々だ。


「あ!!名前ちゃん発見!」

「…あ、おはようございます。」


木兎に早速捕まった。


「どーよどーよ、孤爪とはよー」

「…え…どーよとは…」


両肩を捕まれ、ドアップな木兎に少々身を引く名前。
この前の文化祭のときといい、合宿の時といい、この人は踏み入れるべきでないところまで踏み入れてくるな、と思う。


どういう答えを求めているのだろうか。
それがわからないため、うーんと悩んでいたところに黒尾が「おい、木兎ー。うちのマネージャーだぞ。頼み事はそっちのマネージャーがいんだろ。」と不敵に笑ってみている。

おかげで木兎の気はすっかり黒尾へ移った。


「ちょっとくらいいいじゃねぇの!」

「ダメー」

「なにっ心狭い男だな〜」

「狭くねぇし。俺は寛容だ。」


その言葉を通りすがりの夜久が尽かさずツッコむ。


「おい、それ自分で言ってて虚しくならねぇのか?」

「…うるせぇ。」


名前に「放っといていいからいくぞ」と言って体育館へ戻る夜久に「はい。」と頷くと二人を背に体育館へ入った。


「研磨。」

「なに?」


ボールを持った姿で振り返る研磨に「楽しみなんでしょ。」と問いかけた名前。
彼は首を傾げて「何が?」と問いかける。


「日向。」

「あー。うん。」


久しぶりだもんね、と言えば研磨は「うん。」と小さく頷いた。


「私も楽しみ。」

「え?」


名前も久しぶりに会うメンバーを楽しみにしていた。




「ちわーす!」


すでに練習を始めていた関東組はその元気な声に視線を向ける。


「日向ー!」

「リエーフ、久しぶりだな!」


元気にしてたかーっと烏野高校のメンバーに各々声をかける。

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