赤いリボンの猫-続編-[完結] | ナノ

深く考える


う〜ん、でも、そうだなぁ…。
あまり考えたことなかったけど…
黒尾先輩だったら、もっとやばいんだろうな…いろいろ。


研磨だから…と思っていたところがあるかもしれない。


と、研磨を見る名前。

研磨が手招きをする。
歩み寄れば「さっきの、気にしないくていいから。」と言われて逆に気にしてしまうよ、と思った名前。


「夜久先輩…あ。」

「ん?」


どうした?と夜久が問いかけるが、彼女の視界に入って来た主将の姿。


「いえ、何も。」

「はぁ?」


夜久は「何だアイツ…」と去る名前の姿を見る。
その隣で黒尾は「夜久に聞きたいことがあったんだよ。」と当たり前のことを言う。


「いや、じゃなきゃ何で呼んだかわからねぇだろ…?」

「えー、“ただ呼んだだけです”ってこともあるんじゃね?まぁ、さっきのは違うけどな。」

「お前を見て避けた感じだったもんな。」


ゴクゴクとドリンクを喉に流し込む研磨の元へ黒尾がやって来た。
視線すら向けず、「余計なこと吹き込まないで。」と黒尾に向かって言った研磨。

黒尾は腰に手を当て、「お前のことを思って…」と何か言おうとするところを研磨は「思うんならほっといて。」と鋭い言葉を放つ。


黒尾はそんな研磨でもお構いなしに「でもさー」と話をぶり返す。


眉間に皺を寄せた直後、一言。


「…ほんと、うるさい。」

「…あ…。」


逃げるようにトボトボとどこかへ向かって行った研磨の姿を見てため息をつく黒尾。


「…何か隠してる感じだよなー…あの態度。」


頭を掻くなり、部員たちに「練習再開すんぞー」と声をかけた。

[ 43 / 88 ]
prev | list | next

しおりを挟む