赤いリボンの猫-続編-[完結] | ナノ

文化祭E


「何言ってんスか〜名前さんですよ!」

「あぁ。苗字。」


リエーフが夜久に笑いかける。
夜久はじっと彼女を見るなり、何かを考えている様子。

名前はティッシュを山本に手渡すなり夜久にペコリと頭を下げる。

黒尾がニヤニヤした顔で「かーわいいだろ?」と問いかける。
夜久が「苗字。」と彼女に歩み寄るなりニッと笑顔を向けた。


「すげー似合ってるぞ!」

「…えっほんとですか?」


名前は目を輝かせ立ち上がるなり夜久に確かめる。
夜久は「おう。似合ってる。可愛い。」と平然と言ってのける。

名前も名前でとても嬉しそうにしている。

そんな二人を見て周りは思った。


“夜久(さん)の何でも言えちゃうあのカッコよさはズルい”


「しかしこれ…大丈夫か?」

「?」


名前の姿を見て苦笑いする夜久。
首を傾げたのは名前だ。


「研磨、絶対一人にはすんなよ。」

「え。」


夜久に肩をポンと叩かれた研磨は困るような顔をする。


「まぁ午後は俺に任せろ。」

「なんて心強いんだろう…。」


山本が涙目でそう言葉にした。


「とりあえず、早く開けろ。苗字出すこと躊躇うのはわからなくもないけど…廊下すんげぇことなってっから。」


頼れる守護神、夜久の登場のお陰で音駒バレー部の喫茶が無事、開店した。

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