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靴下なんかじゃ収まりきらない愛を君に
音駒高校バレー部。


「名前とこにはサンタくんのか?」


部活の始まる前、黒尾に問いかけられた名前。
彼女は2年生でマネージャーをしている。


そして…


「サンタ?来ませんね…」

「来ますよ!俺と言うサンタが!」


黒尾が振り返った先にいたのは、ネットを運んでいる彼氏のリエーフだった。
「あー、はいはい。」と軽くあしらう黒尾を無視して彼は「プレゼント持っていきますね!」と言う。

黒尾が不敵に微笑めば「じゃあ名前は靴下ベッドに掛けとかねぇとな。」と言う。

それを聞いたリエーフが

「俺の名前さんを好きな気持ちはそんなちっぽけな靴下じゃ入りません!!」

と胸を張って言う。

黒尾は据わった目をリエーフへ向けて、


「…あ、そう。」


とため息をついた。
様子を伺えば、黒尾は名前の肩を叩いて「もう、頼んだ…」と苦笑いをしていた。


「あーっ名前さんに触った!!」

「…リエーフ。来て。」

「なんですか?!」


いつも研磨が手招きをして駆け寄っていく姿が可愛いな、と思ってた。
実際目の前でパッと表情を明るくされては、こちらとしても黙ってはいられない。


「…好きだよ?」


彼を見上げて、それだけを告げた。
恥ずかしくなって顔を俯かせた名前に、リエーフは「名前さん…」と小さな声で名前を呼ぶと、座り込んで彼女の顔を見上げる。


「…これは、キスするタイミングですか?」

「それは聞かないでするものかもしれないね。」


かといってここは体育館だ、今はダメだよ。と口を開いた瞬間、リエーフにぎゅっと抱きしめられてしまった。


あ…キスだけ警戒してたらいけないんだった。


時すでに遅し、リエーフは「名前さん可愛すぎます。」と幸せそうに彼女を抱き締めている。

その姿を目撃した夜久が「うわぁ…」と嫌そうな顔をした。


「テメェ…リエーフ!ここをどこだと思ってんだ!」

「え?あれ?夜久さん?」


すっかり周りのことはシャットアウトしていたらしいリエーフの脳内が覚醒されていく。

腕の中の彼女は夜久の怒鳴り声によって顔を真っ赤にした。


「恥ずかしすぎる…」

「夜久さんはヤキモチ妬いたんですよね?だから名前さんは何も気にすることなんて…」

「俺は名前のこと好きじゃねぇし、妬いてねぇし…」

「あ、良かったです!」

「…はぁ。」


リエーフに言っても、無駄だとわかった夜久は、盛大なため息をついてリ彼から離れた。


-END-
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