赤いリボンの猫[完結] | ナノ

様子


『名前ー!ボールいった!』

「あ、は、はい!」



ボールを駆けて取りに行く名前の姿を見て、黒尾が研磨に視線を送る。

リエーフにトスを上げた研磨。



研磨はいつも通り…だな、と思ったが…



「あ、ごめん…。」

『い、いや!俺が飛ぶの遅れたっす!!』



黒尾はふっと笑うと、ボールを持ってきた名前に手を上げた。

それに、首をかしげ近づく名前。



「はい…?」

『何かあったのか?空回りしてるぞ。』

「あ、いや…」



狼狽えてる名前を不思議そうに見ていると、「名前。」と、研磨とリエーフが現れた。


研磨に名前を呼ばれただけなのに、過剰に反応を示す彼女に、



『キスでもされたのか?』



と問いかけた黒尾。



「なっ…キス?!」

「…してないし…。」



研磨は「リエーフの指治してあげてよ。」と真っ赤な名前に催促する。


リエーフの手を持って処置を施しに行くその背を見ながら黒尾が研磨に言った。



『付き合ったのか?』

「ううん。」

『じゃあなんでお前らそんなに様子が変なんだ。』

「…スッキリしたからじゃない?」


それだけ言うと、自分のコートへ戻って行った研磨。


黒尾ははぁ、とため息を着くと、『練習するぞー』と声をかけた。


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