赤いリボンの猫[完結] | ナノ

断固拒否


『そいや、名前って勉強もできんのか?』



帰り道、研磨と黒尾とともに帰っている名前に投げかけられた問いかけに本人はうーん?と首を傾げた。



「どうだと思う?」

「…できるんじゃない?」



いつも通り、携帯でゲームをしながら歩く研磨に聞いてみた。
少し考えた後、答えた研磨に黒尾が『へぇー。ならさ。』と申し訳なさそうな顔をして



『山本に勉強教えてやってくれねぇか。リエーフたちも。』

「え、嫌だ。」

「…私はいいですけど…」



本人より先に研磨が携帯から視線を外し、隣の黒尾を見上げて答えた。


その後で名前が苦笑いしながら答える。



「名前より俺の方ができるし。」



研磨の素晴らしいくらいにわかりやすい、手のひら返しだ。
黒尾ははぁ…とため息をつき研磨の肩を掴む。



『じゃあお前が教えてやるか?』

「えー…虎だけなら…まぁ。」

「でも、あの2人は嫌。」とリエーフと犬岡を拒否。

「あ、じゃあ私がふたり教えます。」



名前の発言に、黒尾の表情は明るくなったが研磨が「だめだよ。」と頑なに許さない。



『なんでそんな頑なに嫌がるんだ?』

「だって、さっき…部室で…」



研磨はそこまで言うと口を詰むんだ。
黒尾は納得したような声を出し、
名前は「部室で何か?」と問いかける。


黒尾は頭をかきながら『いや…これ、言っていいのか?』と研磨に問いかける。

研磨は携帯をいじりながら「ダメだと思う。」と答え、黒尾は頭を抱えた。



[ 63 / 110 ]
prev | list | next

しおりを挟む