赤いリボンの猫[完結] | ナノ

烏野高校


民間の体育館に無事到着した音駒高校バレー部一同。


『おい、まだ怒ってんの?』

「うるさい。」

『…俺、派遣したつもりねぇんだけど…』


今朝、寝起きを名前に見られたことに対し怒っている研磨と、それに黒尾が必死になっている。

名前は欠伸をしながらその背についていく。



体育館へ入ると、真っ黒な人たちがいた。

みんなのドリンクを準備しているところに、烏野高校の部員が『お、そのジャージ。音駒高校のマネージャーっすか?』と声をかけられた名前。


振り返ると、自分より背の低い人が立っていた。

西谷は振り返った名前の顔を見て、真っ赤にした。



「そう…ですけど…?」

『すんませんっ何もないっす!』

「え?」



そのまま体育館へ戻っていった西谷の姿を見て首を傾げる名前。



『苗字ードリンクちょっとくれ。』

「あ、はい!」



夜久にできたボトルを手渡すとそれをゴクゴク飲む。
彼のユニフォームを見て、ふと気づいた。



「あの、夜久さん。」

『ん?』

「烏野高校のリベロの人も、ユニフォーム、違いますよね?」

『当たり前だろ。』

「ですよね…」



意味深なことを聞いてきた名前に、夜久は『何かあったのか?』と聞く。



「…いえ、何も。」

『…ふーん。』



夜久は様子が変な名前を見て、体育館へ戻るなりコートの外からサーブを打っている黒尾に声をかけた。



『黒尾。』

『おう、なんだ?』

『苗字、また声かけられたのかも。』

『はぁ?だから、一人で行くなって言ったのに…まぁ、何もなかったんだろ?』

『おう。たぶん、あっちのリベロ。』



そう言って烏野高校のチームメンバーを見る二人。



『…かっけぇな。アイツ。』

『はぁ?そういう問題か?』



黒尾の発言に夜久は呆れた。


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