烏野高校
民間の体育館に無事到着した音駒高校バレー部一同。
『おい、まだ怒ってんの?』
「うるさい。」
『…俺、派遣したつもりねぇんだけど…』
今朝、寝起きを名前に見られたことに対し怒っている研磨と、それに黒尾が必死になっている。
名前は欠伸をしながらその背についていく。
体育館へ入ると、真っ黒な人たちがいた。
みんなのドリンクを準備しているところに、烏野高校の部員が『お、そのジャージ。音駒高校のマネージャーっすか?』と声をかけられた名前。
振り返ると、自分より背の低い人が立っていた。
西谷は振り返った名前の顔を見て、真っ赤にした。
「そう…ですけど…?」
『すんませんっ何もないっす!』
「え?」
そのまま体育館へ戻っていった西谷の姿を見て首を傾げる名前。
『苗字ードリンクちょっとくれ。』
「あ、はい!」
夜久にできたボトルを手渡すとそれをゴクゴク飲む。
彼のユニフォームを見て、ふと気づいた。
「あの、夜久さん。」
『ん?』
「烏野高校のリベロの人も、ユニフォーム、違いますよね?」
『当たり前だろ。』
「ですよね…」
意味深なことを聞いてきた名前に、夜久は『何かあったのか?』と聞く。
「…いえ、何も。」
『…ふーん。』
夜久は様子が変な名前を見て、体育館へ戻るなりコートの外からサーブを打っている黒尾に声をかけた。
『黒尾。』
『おう、なんだ?』
『苗字、また声かけられたのかも。』
『はぁ?だから、一人で行くなって言ったのに…まぁ、何もなかったんだろ?』
『おう。たぶん、あっちのリベロ。』
そう言って烏野高校のチームメンバーを見る二人。
『…かっけぇな。アイツ。』
『はぁ?そういう問題か?』
黒尾の発言に夜久は呆れた。
[ 44 / 110 ]
prev | list | next
しおりを挟む