赤いリボンの猫[完結] | ナノ

部室での会話


「虎。」

『どした?研磨。』



部活が始まる前、部室での男達の会話。
着替えながら研磨は隣にいた山本に話を持ちかけた。


「女の子に向かって顔面偏差値が高いって言うのは…可愛いってこと?」

『ん?なんて?お前、今一瞬、日本語じゃなかっただろ。』



『一瞬外国飛んだだろ。』とお馬鹿な発言をし始めたので、研磨は「もう、いい。」と早々に諦めた。

その時、グッドタイミングとでも言うように夜久が入ってきた。


『夜久さん、研磨が変なんすよ。』と先ほどの話を山本が拡散する。

夜久は山本に『はぁ?変なのはお前だろ。』と言われ、研磨は心の中で頷く。


『違うんすよ、日本語と日本語の間に一瞬、外国に飛ぶんすよ。』

『…はぁ?』


夜久は思いっきり山本を睨んだ。
山本は一瞬引き下がろうとしたが、耐えた。


『研磨は宇宙人か何かだって言いたいのか、お前は。』

『いやぁ…どちらかっつーと…ハーフ?』

『リエーフじゃあるまいし…』



と、夜久が言った瞬間、ふたりは動きを止めた。


リエーフ…!


『俺、リエーフ呼んできます!!そしたら研磨が何言ってるのか分かると思います!』

『おう、俺もそう思う。』



バタバタと山本はリエーフを呼びに行った。
部室に残された研磨と夜久は、しばらく黙ったまま着替えを行っていたが



『で、何の話したんだ?』

「…顔面偏差値が高いって、意味を知らないかな、と思って。」


「でも、聞いた相手、間違えた。」と言う研磨。
夜久は平然とした顔で『つまりは、容姿がいいってことだろ?』と答えを言った。

研磨は、動きを止めて夜久を見た。



『え、何?間違ってる?』

「夜久さんに聞けばよかった。」



その後、リエーフを連れてきた山本だったが、普通の研磨にリエーフの頭の中は?だらけであった。



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