NOTEBOOK

更新履歴や本の感想や日々の記録

2015 12.13 Sunday


本の感想

Category:感想

##amz_4309414079#S#"屍者の帝国"のシェアード・ワールドのアンソロジーです。
読んでるあいだ盛大にニヤニヤしました。屍者の帝国を読んだ人には是非ともお薦めしたいです。

屍者の帝国も色んな要素を組み合わせてますが、これに収録されてる話はもっとすごい。なんだか屍者の帝国とどの有名作品(または有名な人物)を組み合わせるかの大喜利みたい。非常によい。
元ネタを知ってると"ここであの人物が!?"とニヤッとできます。
でもこういうの読むといかに自分が古典と呼ばれるものを読んでいないか思い知らされるんだぜ…。

雰囲気が好きなのは「従卒トム」「神の御名は黙して唱えよ」「石に漱ぎて滅びなば」、話の筋が好きなのは「小ねずみと童貞と復活した女」「屍者狩り大佐」「ジャングルの物語、その他の物語」です。
「従卒トム」は日本人が格好よくて良かったし、「小ねずみと童貞と復活した女」はトンデモすぎて良かったし、「屍者狩り大佐」はバーナビーが(飲んだくれてるだけだけど)かわいくて良かったし、「ジャングルの物語、その他の物語」は凄まじい完成度で良かったです。

「ジャングルの物語、その他の物語」が出色の出来だと思ったのですが、ラファティという作家がこういう書き方みたいですね。そうなるとラファティが俄然気になります。
あと余談ながら、編集後記の"劇場版屍者の帝国のワトソンとフライデーの関係が、円城塔氏と伊藤計劃氏に重なる"という記述がすごく腑に落ちました。

##amz_4167904047#S#夏に買ったのをちびちび読んでやっと読み終えました。
晩年のシートンが、動物たちにまつわる昔の事件と謎を新聞記者に語る、という形で綴られる連作短編です。

正直最初の「カランポーの悪魔」が一番完成度が高いと思いました…。次は「熊王ジャック」かな。
最も心に残ったシーンは狼王ロボが息を引き取るところなのですが、それシートン動物記読めばええやんという。

柳さんというとジョーカー・ゲームが有名で、あちらはかなり殺伐として硬質な語り口ですが、これは比較的柔らかい雰囲気で肩肘張らず読めます。
動物は悪者にはならないので動物好きも安心です。
こうなるとファーブルも探偵になれそうですね。

##amz_4150311609#S#一言で説明しづらいのですが、ざっくり言うと"美学で謎を解体する話"かなあ、と思いました。
うん、分からないですね。
(たぶん)ミステリなんだけど、黒猫(という24才の教授)が語り手に対して行う美学の手ほどきがメインという印象です。
世界観に浸れるかどうかで評価がかなり割れそう。

前作のシリーズ一作目が連作短編だったので、これもそうかと思ったら長編だったので少し面食らいました。
この作家さん、軽い語り口の別シリーズも読んだことあるのですが、この本みたいな小難しい路線が合ってるような気がします。

黒猫と語り手の女の子は両想いのはずなんですけど最後まで何もありません。
作者さんが語り手に"私は機会を逃し続けてるから何とかしないと"みたいなことを語らせてるので読者もふーんと思ってしまうけど、大切な人を置いてパリに行ってしまう黒猫のほうがどうかと思います!
語り手の女の子をどうか幸せにしてあげて下さい…。
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -