nearly equal

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上司が書類を貯め込んでくれたおかげで、エドワードは二日前からろくに寝ていなかった。
仮眠時間を削ってデスクにかじり付き、急ぎの書類だけは終業直前にどうにか終わらせた。後は日勤の同僚に任せ、眠気と疲れでフラフラになったエドワードは執務室を後にしたのだ。

暫く会っていない弟の顔を見てから帰ろうとも思ったが、通り掛かった詰め所にアルフォンスの姿はなかった。外回りに出ているのか、それともただ席を外しているだけかはわからなかったが、エドワードはそれ以上アルフォンスを探す事はせずに、長い廊下をトボトボと歩いた。

とにかく眠い。だるい。寝たい、今すぐ寝たい。食欲は全く無かったのだが、それでも疲れた身体を引きずって軍の食堂に立ち寄ったのは、食事を抜いた事がアルフォンスにバレて酷く怒られたからだ。

人も疎らな食堂の隅で、エドワードは遅過ぎる昼食をもそもそと平らげた。食事が済むと、満腹感から強い眠気に襲われる。
少しだけ、とエドワードがテーブルにつっ伏して目を閉じると、次に目を開けた時には隣にアルフォンスが居て酷く驚かされた。しかし久しぶりに弟の顔を間近で見て、エドワードの胸はほんのりと温かくなった。

大きな手で頭を撫でられる。エドワードはその心地良い感触に安心しきってしまって、もう耐える事も出来ずに一瞬で眠ってしまったのだ。

完全に意識を無くす前、エドワードは、焦れたようなアルフォンスの声を聞いた。
アルフォンスは何故か、やたらと尻を気にしていた。ボトムの尻の所が破れていたのだろうか、それとも汚れでも付いていたのか。幾らか気になりはしたが眠気に勝てず、エドワードは返答も出来ずに眠ってしまった。








「…で、なんでオレは此処にいるんだ」

目が慣れてくると、薄暗いその場所が軍の仮眠室だとすぐにわかった。
幾らかまとまった時間、眠ったようだった。身体の気だるさは残るが、頭はだいぶすっきりしている。

「おはよう」

目覚めたエドワードの顔を覗き込んでいる影は、やけに甘ったるい声で囁いてくる。

「…おはよ」

エドワードは眉を顰め、ベッドから、そして自分を拘束している男の腕から抜けだそうとした。だが、背後に回った男の手にそこをガッとわし掴まれて、エドワードは悲鳴を上げた。


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