12月5日。今日は金曜日。いつもと変らない日だと思っていた。正確に言うとクロームは、忘れていたのだ。
今日が自分の誕生日であるということを。
「クロームちゃんお誕生日おめでとう!」
いつも一緒に登校する京子に言われてはじめてクロームはそのことに気がついた。その後合流したハルや綱吉たちからも同じように祝いの言葉を贈られる。学校に着くと、誰から聞いたのか、クラスメイトたちからも祝いの言葉とプレゼントをもらった。
クロームはくすぐったいような感覚を覚えて頬を林檎のように赤くした。
「ありがとう」
はにかみながらお礼を言うクロームの愛らしい姿に、その場にいた全員が蕩けたような表情になる。
彼女のこの笑顔を見ることが出来るなら、何でもする! と誰もが思った。
「今日も平和だな。コラ」
「あぁ。クロームが幸せそうで何よりだ」
教室の窓の外。ファルコにぶら下がったコロネロとその更に下にぶら下がったリボーンがその様子を眺めていることに気づく者は誰一人としていなかった。『教室で祝福』
20131205