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 クロームは脱衣所でおろおろと立ち尽くしていた。彼女の目の前には、鼻歌でも歌い出しそうなくらい上機嫌の骸がいた。一緒に入浴することは今日がはじめてではないし、入浴自体に問題はない。が、今回はそれだけでは済まないことが、するのが前提なのがクロームに取っては問題なのだ。骸が服を脱ぎはじめたのでクロームは慌てて視線を外した。暫くして、身に付けていた衣類を全て脱いだ骸がクロームの服にも手を掛ける。
「クローム、脱がせて欲しいんですか?」
「ち、ちがいます……っ」
「クフフ、遠慮しないでください」
「あっ……!」
 クロームが否定の言葉を口にしても骸は聞く耳を持たず、するすると、あっという間にクロームを生まれたままの姿にしてしまった。身体を縮こませながら必死に身体を隠すクロームを骸は、楽しそうに見つめている。
「生まれたての小鹿のようですね」
「み、見ないでくださいっ」
「それは無理な相談ですね。さあ、おいで。身体の隅々まで洗ってあげます」
 浴室に引っ張られるようにして連れて行かれる。シャワーで軽く身を清めてから骸はボディーソープを泡立ててクロームの身体を洗いはじめた。スポンジである程度泡を広げると骸は、手の平を使ってクロームの身体を順に撫でていく。きめ細かい泡と肌を滑る手の平のぬるぬるとした感触がくすぐったくてクロームは声を上げた。
「ひゃっ……」
「クフ、気持ち良いですか」
 骸が妖しい笑みを浮かべている。しまった、と思ってももう遅い。
「むくろさ、ま、だめっ……あ……っ」
 骸の手がクロームの秘部へと伸びる。骸の指先がソコの様子を探るように撫で、クロームのナカに埋め込まれていく。ナカを押し広げていく指の圧迫感に我慢出来ずにクロームは声を上げた。そして浴室に響く自分の声が彼女のの羞恥心を倍増させる。ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てて秘部を掻き混ぜられクロームが絶頂を迎えようとした正にその時、骸は指を引き抜いた。
「むくろさま……っ」
 クロームが縋るような表情で骸を見上げる。
「指よりもこっちの方が良いでしょう?」
 妖しい笑みを浮かべて自身を指し示す骸にクロームは頷いた。
「骸様……欲しい……」
 クロームの返事に満足した骸は肥大した自身でクロームの身体を一気に貫く。
「きゃあああっ……!」
 待ち望んでいた存在を無意識に締め付けるクロームのナカの感触に打ち震えながら骸は律動を開始した。クロームが泡で手を滑らせながらも彼の背に腕を回す。浴室に反響する嬌声と肌と肌のぶつかる乾いた音。立ち上る湯気に包まれて二人は何度も交わった。


『バスルームにて』


20120428


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