にゃんこシリーズ | ナノ
 ボンゴレファミリーの科学班が作ったという薬の効果でクロームに猫の耳と尻尾が生えた。しかも、その薬はまだ試作段階で効果が切れるまでの時間も薬が完成したのかも正確に分からない代物だったという。クロームの様子を見る限り、薬の効果はしっかりと出ているようだが…
「ちゃんと、元に戻るんでしょうね」
「えっと……たぶん」
ボンゴレと言葉を交わしながら猫の耳を撫でるとクロームは、トロンと眠そうな顔をした。どうやらこれらは彼女の神経を繋がっているようだ。
「どう考えてもこれは、趣味の範囲のものではないですか。何を考えているんですか」
「オレも知らなかったんだよ」
「部下の仕事も把握していないと?」
「…以後、気をつけます」


「骸様…」
不安そうなクロームの頭を撫でながら、彼女が元に戻るまでの間(戻るかどうかも怪しいが)どうするかを考えた。耳は帽子で隠すことが出来るが、長い尻尾をどう隠すか…。まぁ、アジト内にいるだけなら隠す必要もなくなるだろう。どうせこの噂はすぐに広まってしまうだろうから。
「そう言えば…言葉は普通のようですね」
「はい、ちゃんと話せます」
「説明書には猫の言葉を話す、とありましたが」
僕の部屋にやって来た科学班の男に渡された用紙を見ながら言う。薬は完璧に完成したとは言えないようですね。…となると、効果の切れるとされている時間も当てにならないかもしれません…。
「クローム…」
「はい、骸様」
「ボンゴレたちに振り回されっぱなしなのも癪ですし」
「です、し…?」
「少し…遊びましょうか」


ベッドに沈めたクロームの猫の耳が、危険を察知したように、ぴょこんと揺れた。


20100228 『片目の子猫』


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