『あ…テツくんとクラス違っちゃったね』

「そうですね、残念です。でも大丈夫ですよ、登下校は今まで通り一緒にしましょう」

『うん! あ、でもテツくん部活始めるんだよね』

「はい、荻原君と約束しましたから。バスケ部に入ります。なので、帰りは練習が終わるのを待ってもらうことになりますね」

『そうだよねえ。んー、待つのは得意だけど、せっかくだし、マネージャーとかやってみようかなあ?』

「えっ? …大丈夫ですか? 名前、あまり他人と関わるようなこと、してこなかったですよね…?」

『もー、他人嫌いみたいに言わないでよ』

「でも…」

『私はただ、仲良くなっても忘れられちゃうことが多いから、関わるのを控えてただけだよ』

「…それだけじゃないんですけど」

『え?』

「いえ。名前がやりたいなら、ボクは応援します。一緒にバスケ部に入りましょう」

『! うん! 一緒に頑張ろ!』


教室にて

「!」

『? …えっ…あ、…おはよう…?』

「あ、ああ…おはよう」

『(び、びっくりした…知らない人にじっと見られたのって初めてだ…)』

「オレは赤司征十郎。隣の席同士よろしく」

『あ、苗字名前です。こちらこそよろしくね』


放課後

「苗字さんは帰らないのかい?」

『え? うん、ちょっとね。友達を待ってるんだ』

「そうか。それじゃあまた」

『うん、また明日』


体育館にて

「今年は4人も入ってくれた! 大収穫じゃないかね?!」

「そうだね〜嬉しい嬉しい」

「ようこそ帝光中学男子バスケットボール部へ! 私はマネージャーのリーダーさせてもらってます!」

「副リーダー的なアレやってます〜。あとちょっと遅れてて今いないけど3年があとひとり、2年がふたりいるよ〜」

「ウチ部員数多いから一軍から三軍まであって、基本ローテーションでついてもらってます。今日は私らのやること見てこんな感じか〜って言うの知って帰ってね!」

「まあまずは今年も恒例のクラス分けテストやるから、それ見学してて〜」


クラス分けテストが終了

『(テツくんは三軍か…。赤司くん(?)は、いきなり一軍なんて…すごいんだなあ…)』

「遅れてすみません!」

「おっ、来た来た。これからオシゴト見学してもらうとこだよ〜。1年ちゃんの振り分けどうしよっか」

「一軍ひとり、二軍ふたり、三軍ひとり、かな〜? 今月ウチらふたりひとりふたりで分かれてるし〜」

「よーし、じゃあ桃井さん一軍、新井さん菊池さんが二軍、苗字さんが…アレ? 苗字さんどこ行った? トイレ?」

『あの、います、ここに!』

「えっ?! あ、ごめん気付かなくて!」

『大丈夫です』

「ごめんね〜! 苗字さんは三軍ね。それじゃあみんな、よろしくお願いします!」

『よろしくお願いします!』


部活開始

『あっ、テツくん…』

「ん? あ、苗字さんか。どうかした?」

『あの、気分が悪そうな人がいて…』

「あー、今年もいたか。トイレ行って吐いたら楽になるだろうから大丈夫だよ。戻ってきたらドリンク渡してあげてくれる?」

『あ、はい…』


部活終了

『テツくん!』

「名前…」

『大丈夫…?』

「大丈夫じゃないですけど、大丈夫です…」

『何それ、どっちなの…』

「具合いはよくないですが、頑張る、と言うことです…」

『そっか…無理しちゃダメだよ。早く帰ってゆっくり休も』

「そうですね…。ところで、名前のほうはどうでしたか? ボクたちの体育館にいたようですが」

『うん、一軍から三軍まで、ローテーションでついてるんだって。慣れるまでしばらくはこのままだって言ってたよ。テツくんがいるとこの担当になれてよかった』

「…入部早々吐きそうになったところは見られたくなかったんですけどね」

『ふふ、明日からもしっかり見てるからね。怪我とかさせないよ』

「…頼もしいです。けど、名前も加減してくださいね。無理は禁物です」

『うん』



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