T.Kの考察

初めて赤司くんに声をかけられたとき、赤司くんと一緒にいた彼女の存在も知りました。
そのあと互いが同じクラスだったことに気付いて、そうですね、わりとよく、話をしたほうだと思います。
普通と言うものの定義はいまいちわからないですけど、ボクが知る限り、その頃、彼女は普通の人でした。
ボクが彼女の普通でないところを見たのは、放課後、空き教室の前を通りかかったときのことで、向き合うふたりの異様な空気に、思わず息をひそめて耳を立ててしまったんです。

征十郎を返せ

しんとした教室から廊下まで這うように響いた彼女の声は、到底普通とは言い難く恐ろしいもので、ボクはそのとき初めて、何かオカシイんだと思いました。
キセキの世代と呼ばれ始めたチームメイトたちは、ボクより先にふたりの異様な姿を見て、違和感を覚えていたようです。

奇怪な彼女の言動は、ある日唐突に答えを得ました。
あの日、ある出来事のあと、彼女の言う“征十郎”は姿を消し、入れ替わるように赤司くんが現れました。
今までにも赤司くんが現れることは間々あったようで、つまり、彼女はずっと前から気付いていて、それで。

A.彼女の異常な言動はすべて、彼女の好きだった“征十郎”を“赤司くん”から守るためのものだったのです。



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