S.Mの考察
初めてあいつを見たのも、赤司に詰め寄っているところだったのだよ。
赤司の顔が妙に穏やかで、対称にあいつの顔は心底憎らしげに歪んでいた。あまりに正反対な表情だったから、今でもよく覚えている。あいつのヒステリックな喚き声も鮮明に思い出せる。
征十郎を返してよ聞いているこちらのほうまで胸が痛くなるような声色だった。
オレが感じていた赤司への違和感は、あのときを境に確信へ近付いていったのだよ。あいつはきっと、オレが気付くよりもずっと前に赤司の片鱗に気付いていたんだろう。
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