※トリップネタ



ポカポカと暖かい日射し。

まぶたの裏に橙の光が映る。


ああ、もう朝か。反射的にそう思った。

ゆっくりと目を開ければ目の前に広がる白い布団。
そういえば今日は1時間目から体育だったっけ。なんとなくそんなことが頭に浮かんだ。


しかしすぐにある異変に気がつく。なにかが変だ。なにかがおかしい。

バッと視線を右に向けた。

………


…って、え、嘘、ちょ、待って、なにが、え、ええええええええええ!!!?



ななななんで銀魂の土方さんが私の横で寝てるのえええええ!!!?



いやいやいやいや、どこぞの夢小説ヒロインだ私は!!まさかのトリップ?嘘ぉぉ!!

待て待て落ち着け私。こういう時こそ落ち着いて私。確か昨日は体育して上体起こしして反復横飛びしてじゃなくてそういうことじゃなくてそう確か昨日の夜はいつも通り普通に寝て、あ、あれか!?寝る前に銀魂見たからか!?だからトリップ!?だから土方さんが私の横に!?てかなんで同じ布団で寝てるのえええええ!!


待て待て、全く落ち着いてないよ私。いや、こんな状況で落ち着け、っていうほうが無理だけど!

とにかく同じ布団で寝てるってことがダメなんだきっと。それが私の冷静を奪ってるんだよきっと。とりあえず起きろ私。頭じゃなくて体。ひとまず体を布団から出すんだ。

そう考えてガバッと体を起こして、ズリズリと布団からのけ反る。下は畳。間違いないよ。ここは土方さんの自室なんだよ。なんで私がここに!?私普通の学生なんですけど!!


目が覚めてから時間が経つうちに自分の体の異変にも気がついた。まず頭が痛い。ガンガンする。あとお腹も。昨日の上体起こしの筋肉痛?それだといいんだけど。でも…違うよね?

ぐちゃぐちゃになったシーツ。乱れた布団。そして、あの、さっきから、その、とても人には言えないような穴がジンジンと痛い。これってまさか…


いやいやいやないないない!そんないきなり【ピー】したとかないないない!きっと原因は別にあるんだよ!あ、でも、

ふと下を見れば、自分がまとってるのは若干はだけた白い着物、ってまじかよ!?はだけた!?え、はだけたぁぁぁ!?
あわてて露になっている胸元を隠そうとしたら、私の視界に入ったのは白い肌に映える無数の朱。ってまじかよ!?キ、キキキスマーク!?こんなに!?


えええええ嘘おおおおおお!!!?


思わず頭が痛むのも忘れ、全力で前後に降る。頼むから夢なら覚めてくれ!

そして気がつく。おかしなことに。
頭を降るたびにチラチラと視界の隅に映るキラキラとしたなにか。ふと手にとってみるとそれは自分の髪の毛だった。あれ?私の髪の毛ってこんなに金色だったっけ。染めた覚えなんてない…

その瞬間ひらめいた。ある仮説が。そうだ、これは、


本当の私じゃないんだ。


そうだそうだ、よくよく考えれば色々違うじゃんか。まず金髪じゃないし。それにこんなに肌も白くない。あと足の細さとか、うん、違う、これは私じゃない。他人だ。

そう考えればつじつまがあう。きっと私はこの銀魂世界の誰か別の人間に、魂が乗り移ったとかなにかなんだろう。納得だ。だってそんな昨夜のことなんて、なにも覚えてないし。うん、てか覚えてなくて当たり前だ。だって全然違う人なんだもん。

きっとこの娘は土方さんの彼女か、もしかしたら婚約者とかそんなんだろう。まあそれはそれでショックだけど。土方さん彼女いたんだ…。


じゃあこれからどうする?えっ、もし土方さんが起きたら、私どう対応すればいいの?
やっぱ彼女だから馴れ馴れしく話しかければいいのかな。呼び名は?ト、トシとか…?うわちょっと照れる



「ん…、」

『!!』



う、噂をすれば起きたー!!わわわわわわわどうするよ私!心の準備できてない!
おはよう、って言えばいいのかな!?てか、照れるな!あくまでも自然体でいかないと彼女としては不自然だぞ!い、行け!自分!



『お、おはよう…』



よーし、言えた!ちょっとひきつってたけど笑顔で言え、私!これでいいんだよね!?

そしたらまだ寝起きな土方さんは、数回目をこすり、そして私の顔を見て固まった。

って、え?固ま、る…?



「お前…、誰だ……?」



…意識が遠退いていくのを感じた。





(…お願いだから夢だと言って)















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はい、変なネタすみません

単にトリップネタが書きたかっただけの産物です


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