『あ、半田だ』


時は昼過ぎ。昼食の時間。
購買にて今日も見事に戦利品を勝ち取った私は、上機嫌で廊下を歩いていた。
その時見つけた、たった今中庭で弁当を広げようとしている半田を。てかあいつ独り?独り飯?ププッ

まあ、からかうネタとしては調度いい。今日はたまたま私も独りだしちょっと中庭に行ってやるか。優しい先輩に感謝しろよ、半田。


























マックス、遅いなぁ…

ふと弁当を広げながらそんなことを考えていた。さっきマックスに言われたことが頭の中によみがえってくる。


「なあ、半田!今日は天気もいいし中庭で弁当食べようよ」


誘った本人は今ごろ購買で戦っているのか。てか長っ。あいつパン買ってくるのにどんだけ時間かかってんだよ。長っ。まあ購買の混み具合はかなりのものだけど。

それにしてもマックス遅っ。正直早く帰ってきてほしい。腹減った。さっきからずっとお腹がゴロゴロ鳴っている。もうかれこれ10分以上はかかっているはずだ。さすがになげーよ、マックス。あれだ、先に食べとこうか。うんそうしようか。

そう思って弁当を広げた。
そしたら、


『やっほー半田、なに?独り飯?地味だからって独り寂しく独り飯?』

「…げ」


全く笑えない毒舌を引き連れた先輩が現れた。あ、先輩ってのはあくまでも一応だけど。


『てかさ、なんで中庭チョイスしたの?普通独り飯は便所じゃね?便所飯w』

「違いますよ。独り飯じゃなくて、単に俺はマックスを待ってるだけです」

『マジか。あー、そうか、そうだもんね。君にはまだマックスがいた。…よっこらしょ』

「まだ?まだってどういう意味ですか。てかなんで横に座ってんすか、先輩」

『いいじゃないか半田。私は今日は偶然にも独りなんだ。特別にお前と一緒に昼食を食べてやろう。感謝しな』

「なんで上から目線?って、独りなのは先輩じゃないですか」

『た・ま・た・ま、だよたまたま。いやぁ、いつも一緒に食べてる友達が早退しちゃってね。だから暇なんだよ、つきあえ』

「…」


いつもこんな調子だ。俺を何かにつけてはからかい楽しんでいる。
先輩っていうより1つ上の同級生みたいな感覚で喋らないと、正直身がもたない。


『おやおや、実においしそうな卵焼きではないか。よこせ』

「よこせ、ってどこのガキ大将?卵焼きなんてあげるわけないでしょ」

『んん、まあまあおいしい卵焼きだ。ありがとね、半田』

「ってもう食ってんじゃないですかぁぁぁぁあ!!!!」

『細かいこと気にしてると早死にするよ』

「先輩が早死にしたらどうですか」

『いや、お前が死ね』

「先輩こそ」

『先輩に向かって死ねとはいい度胸してやがる!そこになおれ、半田!私が粛正してやる!!』

「なにキャラ?」

『かっこいいっしょ』

「いや全く別に全然」

『三段否定止めろ』

「もういいですよ先輩。黙っといてください。口にチャックしてください」

『私のチャックは最先端だからね。開いても閉めても開いたまんま』

「それ最先端って言いません。ただの壊れたチャックです」

『壊れかけの〜チェァックゥ〜♪』

「選曲古っ」

『昭和歌謡なめんなよ』

「だから壊れかけじゃなくて壊れてるだけですって」

『最先端だっつーの』

「あとなんですか、そのチェァックゥって発音」

『ラジオがレィディオゥになるぐらいだかね。チャックの発音も大胆に改革していかないと』

「…意味分かりません」


















――――――――――――

紫蝶様へ捧げます!

半田と年上主人公でギャグ夢、自由に書かせていただきました!
ちなみにマックスは約束を完全に忘れてます



page 5/22
prevnext



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -