知らないだろう。お前が俺を見ている時間の何倍も俺はお前を見てる。
 自陣に攻め込まれる度に空気がぴんと張り詰めて、そこに身を置いたままお前は走り出す。そんな後ろ姿を見ていることしかできない。
 あ、抜かれた。
「影浦!!」
 振り向いた。なびいた髪が美しかった。
 手のひらが熱を持つ。足の裏がどくりと疼く。こんな瞬間のくだらない歓喜。お前はずっと知らなくていい。
(影浦と三重内)


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