仲がいいと言われる。そう見えるのならそうなのかもしれないが、そう見えるだけであってそうでないのだと諭されたら、俺はそのときたとえ垂涎ものの美女が「私ノコトキライ?」とたわわな身体をしならせながら擦り寄ってきていたとしても全力で首を縦に振るだろう。きっとそうではないのだ。あと全力はやめておこう。80パーセントの力で。
 肩に触れようと手を伸ばした。このあと彼の身体がびくりと跳ねることを俺は知っている。いつだって線を置かれてしまう。仲がいい。そう見えるかもしれない。
「……俺が怖いかよ」
 困った顔をするな。簡単なことだ。俺を美女だと思え。ただ首を横に振るだけでいいから。
(シカと中谷)



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